発行 | JICC出版局 |
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著 | ベニー松山 |
発売日 | 1989年8月 |
価格 | 1,165円+税 |
判型 | B5判 |
ページ数 | カラー64ページ+モノクロ112ページ |
書籍コード | ISBN4-88063-603-7 |
ファミコン版『ウィザードリィI』が発売されたのは、確か『ファイナルファンタジーI』と同時期になるはずの(同日か、1週間のずれだったか)1987年12月。それを考えると、この本の発売時期は通常の“攻略本”の常識から相当に隔たっていた。1988年2月発売の『II』とカップリングしての本であったとはいえ、よくもこんな企画が通ったように思う。それは裏を返せば、『ウィズ』というRPGが日本のコンシューマの世界に初めてもたらした強烈な中毒性を表していた。
この本を書くにあたって心がけていたことはふたつ。ひとつは当然のことだが、データを可能な限り正確に取ろうというものだった。この当時はメーカーから詳細な内部データの提供など、その概念からなかったわけで、すでに発売されていた公式攻略本ですらゲームとの相当な食い違いがあった。ならばそこは『ウィズ』にのめり込む深さで補うしかない。自力では確認不可能なモンスターのHPや攻撃値、ACと魔法無効化パーセンテージなどはもらったデータを信じるほかないが(それでも無数の戦闘の中で矛盾を見つけ、修正はできた)、その他の数値や能力はすべて実戦で割り出していった。経験値は単独行による採取数値をモンスターの組み合わせによる方程式に当てはめて算出し、出現階と出現数は気が遠くなるほど逃走・前進を繰り返した。リジェネレーションを持つモンスターにはマバディをかけてターンあたりの回復数値を確認した。何しろプレイ条件は一般ユーザーと変わりがないワケで、そこで差を示さなければ後発本(それも『I』で言えば21ヵ月後)として到底通用しないと思ったからだ。
もうひとつは、イマジネーションを必要とするためにプレイする人を選ぶ(ゆえにハマった人の中毒性は深いのだが)『ウィズ』を、誰でもその世界に入り込めるように、ひとつの想像世界として構築してみようという試みだった。ゲームの中で起きるちょっとした事象を矛盾なく膨らませ、また末弥 純氏の素晴らしいモンスターグラフィックから喚起される魔物の生態を解説することで、暗い地下迷宮の、せめて足下を照らすランタンのような本になってくれればいいと考えた。一歩を踏み出す助力となれば、と。実際やってみるとのたうち回って毛が抜けるくらい困難な試みだったが、得がたい経験であったように今は思える。
余談だが171・172ページの鱗状の紋様は、空いたスペースを適当に埋めようと、担当編集者だった平林久和氏が当時愛用のセカンドバッグをコピー機で複写したもの(笑)。
★怪物<モンスター>たちのすべて
モンスターマニュアル<ウィザードリィI・編>
モンスターマニュアル<ウィザードリィII・編>
モンスターデータ<ウィザードリィI・編>
モンスターデータ<ウィザードリィII・編>
★迷宮世界のすべて
世界背景
魔法概念
武具
種族
性格
職業
特性値
成長
モンスターの考察
戦闘のルール
城塞都市
訓練場
城内設備
迷宮内について
宝箱の考察
罠
キャラクターの状態
呪文解説
呪文一覧
★勝利者となるためのすべて
ゲームストーリー<シナリオ1/狂王の試練場>
マップ&ガイダンス<ウィザードリィI・編>
ゲームストーリー<シナリオ2/リルガミンの遺産>
ウィザードリィII総合ガイダンス
マップ&ガイダンス<ウィザードリィII・編>
アイテム一覧<ウィザードリィI・編>
アイテム一覧<ウィザードリィII・編>
起こりうる奇跡<裏ワザ>
ウィザードリィ友の会