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作品詳細

ファイナルファンタジーX-2 アルティマニア

【元版(通常版)】

出版・編集 デジキューブ
スタジオベントスタッフ
発売日 2003年5月31日
価格 1,800円+税
判型 A5判
ページ数 736ページ(オールカラー)
書籍コード ISBN4-88787-126-0
【元版(初回生産限定版)】

出版・編集 デジキューブ
スタジオベントスタッフ
発売日 2003年5月31日
価格 2,000円+税
判型 A5判
ページ数 736ページ(オールカラー)
書籍コード ISBN4-88787-127-9
【再刊版】

出版・編集 スクウェア・エニックス
スタジオベントスタッフ
発売日 2004年4月16日
価格 1,800円+税
判型 A5判
ページ数 736ページ(オールカラー)
書籍コード ISBN4-7575-1205-8

内容紹介

736ページでお届けする、『FFX-2』の完全攻略に必携の一冊。シナリオページでは、本作最大の注目ポイントである物語分岐の内容や条件はもとより、各イベントで得られるコンプリート率の仕組みまでを、リストやチャートを交えてていねいに解説。併記されたチェックボックスを利用することで、読者がそれぞれ自分の達成度をはかりつつゲームを進められるようになっている。そのほか、ドレスアップをはじめとするバトルシステムや膨大なサブイベントといった多彩な要素を、あますことなく解析。限定版として、パインのストラップを同梱した「ファイナルファンタジーX-2 アルティマニア featuring PAINE strap」も同時発売された。

(C) 2004 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.

スタッフコメント

山下 章

 この本については、毎週連載していた「山下 章の『FFX-2』アルティマニア制作日記」でいろいろと書かせてもらいましたが、そこに載せなかった裏話を少々。
1.制作がはじまったとき、まず議題にあがったのが、前回(『FFX』)のように、「SCENARIO ULTIMANIA」と「BATTLE ULTIMANIA」の2冊構成にするかどうか、ということでした。ソフトの開発期間から考えると『X-2』が『X』ほどのボリュームある作品とは思えない、と誤解していたこともあり、今回は1冊で、という方向性でプロジェクトがスタート。ところが実際に本を作りはじめてみると、恐ろしいほど詰めこまれたシナリオの分岐の数々や、こまかな要素がつぎつぎと発覚。このままだと700ページの突破はまちがいなさそう(というか、作ろうと思えば900ページは作れそう)、となったところで「SCENARIO」「BATTLE」の切りわけを再検討しようかという話もふたたび持ち上がったものの、ときすでに遅く……。これ、人によって好みがわかれるみたいですが、今回のようなブ厚さ&情報密度の高さになっても1冊にまとまっているのと、ある程度の厚さで2冊になっているのって、どちらが良いと思いますか? ぜひご意見をお聞かせください。
2.本書に掲載されるインタビューの収録のため、僕(聞き手)、稲垣宗彦(原稿のまとめ役)、大出綾太(知恵袋)、日下部智子(テープ起こし担当)、デジキューブのかた、という大人数でスクウェアを訪れました。こちらサイドの人間がズラリと並ぶ前では、開発スタッフのかたがたがちょっと話しにくそうにしていることも。そうしたときに特効薬のように使わせてもらったのが、「温泉」というキーワード。本のなかにはほとんど載っていませんけど、どのチームのかたも、温泉の話題になるとイキイキと話してくださるんですよね。そのなかには、とても誌面に載せられないようなものも……。取材の帰り道、新人の日下部智子が、顔を赤らめながら聞いてきました。「あの~、温泉関係の部分も全部テープ起こししないといけないんでしょうか」。僕は心を鬼にして答えました。「どこをどう使うことになるかわからないから、とりあえずテープ起こしはそっくりそのまま頼むよ」。――これってセクハラ?

ベニー松山

 『X-2』は変わっていくスピラの物語であるのに、『X』と同じスタイルで書いてしまっては面白くない。ならば今回は一人称で、それもユウナ・リュック・パインを書きわけて各ストーリーレベルの流れを語らせてみようということになった。「FFX ULTIMANIA Ω」でユウナの一人称には慣れていたつもりだったが、やってみるとやはり自然とていねいな言いまわしになるユウナが一番難しかったり(笑)。また、ヴェグナガンを巡る動きはあくまでアンダーグラウンドなものであり、スピラの人々の大半が“気づいていない”ことを踏まえ、三人称の視点でその部分をつけ加えてストーリーを立体的に透かし見る手法を試みてみたが、いかがだっただろうか。

大出綾太

 “着がえたい状態”というステータス異常名を見たときには、『FFVII』の“悲しい状態”を見たときと同じくらいのショックを受けた。だって、“着がえたい”ですよ? 希望を主張するステータス異常なんですよ? まさに『X-2』のゲームシステムならではの表現だなあと、目からウロコ的に深く感動したのでした。それにならって、この本の制作時の状態を表現すると、さながら“バーサク+眠りたい+帰りたい+着がえたい状態”といったところでしょうか(バーサクは、つねに仕事をしているって意味ね)。そんななか、情報が何もない状態でプレイした1周目のコンプリート率が99%だったのと、仕事とは関係ないところで石川英郎さんによるトーブリの声を生で聞けたのが、大きな自慢。ういうい。

山中直樹

 担当のページを終えたあと、シークレット60の一部も書くことに。本全体の締め切り間近なので時間的に余裕はなかったのですが、ほとんどがお笑いネタだったので楽しく作業できました。とくにP.720のNo.52に載せたネタは爆笑ものなのでお試しあれ。

板場利光

 今回の『ブリッツボール』では、ついにザナルカンド・エイブスが登場! 選手のユニフォームは、やっぱり前作のオープニングムービーに出てきたやつかな? それで試合中は「Otherworld」が流れたりして……と思っていたら、なんとティーダの家の前に集まっていたファンたちがメンバーだったとは! 完全に意表をつかれたけど、かつて「ブリッツボール、教えて!」とティーダに言っていた子どもたちが立派な選手になっていて、なかなか感慨深いものがありました。

小石朋仁

 分岐による変化を押さえていくだけでカレンダーはめくれ、あっという間に締め切りオーバー。原稿を書くための調査がここまでキツイとは、当初はまったく想像できなかった。
 後日談。偏頭痛を静めるためにバファリンを常飲しながらの仕事がたたったらしく、休暇に入った初日に激しい頭痛と吐き気でダウン。それが治ったと思ったら、今度は胃腸の機能が急低下して、腹痛と断続的に襲ってくる下痢でまともに眠れない生活を1週間ほど味わう。最初、SARSにでもかかったのかと思ったよ……(発熱やセキはなかったので、SARSではありません。念のため^-^;)。

大野優子

 本当~にいろいろ大変だったのですが、なにはさておきボイス! ボイス! 「どうしてこんな企画が成立してしまったんだ!?」と途方に暮れるほどに、幾度も立ちはだかったチェックリストの壁。このリスト、イベント条件のプレイチェックに関してはいまだに夢に見ます。自分の限界がさらに伸びたような気がした、激烈過酷な制作進行でした。時間の貴重さ、ペース配分の大切さをつくづく思い知らされました。でも、初の限定版企画、じつはとってもワクワクしたものです。自分でも限定版を買いましたし~。
 新キャラクターのなかではバラライがお気に入りで、スフィアも迷わず新エボン党に返却したのですが、今回から本格的に加入した日下部さんも同じことをしていて、ちょっとおかしかったです。そうそう、ヌージたち3人は「ヌギバ」と呼ぶのが公式(?)みたいですよ。

大出啓太

 加速度的に厚くなっていくULTIMANIAですが、今回は枕として販売しても、恥ずかしくないだけの本に仕上がったのではないかと、自負しています。さて、今回はサブイベントを主体に、装備&アイテム、シナリオと、いろいろなコーナーを担当しました。かなり大忙しだったわけですが、その合間にディスプレイを3台も壊すという偉業を達成。いや、壊そうと思って壊したワケじゃなくてですね、オレが使いはじめるとなぜか調子が悪くなるという。妙な怪電波でも出してんのかなあ、オレ。

豊田知行

 「原稿があがればナギ節だ。何して遊ぶよ?」それが僕(たち?)の心の支えでした。まさか、Ωを作ることになろうとは……。え? そんなにほしいなら、永遠のナギ節をくれてやる? さすがにそれはご遠慮だ~よ。

木村昌弘

 初校を見ながら念校を見ながら原稿を書きながら写真を撮りながらプレイチェックという、正気とも思われない進行に対応するため、最後の2週間で家に帰った回数がn回(ヒント:自然数でない)になったりもしましたが、オートアビリティ『寝不足限界突破』と『空腹限界突破』のおかげでどうにか終わりました(生命が)。

白川大輔

 『FFXインターナショナル』の付録DVDに収録されていた「永遠のナギ節」を見て、『FF』シリーズの続編ではなく『X』の続編を期待しましたが、まさか本当に発売されるとは、当時は思いもしませんでした。この『X-2』も、過去の『FF』シリーズの例にもれず、新システムの「ドレスアップ」をはじめ、随所に新たな試みが散りばめられており、プレイするユーザーを魅了してやみません。でも、スフィア盤による成長システムが気に入っていた私は、少しさびしい気も……。

藪良小路

 プレッシャーにも負けずこんなにメリハリのきいたゲームを作ってしまうなんて、なんて度胸のある人たちなんでしょう。素直に感心しました。だから、みなさんも先入観なしに、素直に遊んでみてください。

中谷 薫

 『FFX-2』では、移動時にユウナがマップ上をジャンプできますが、あれって相当高い場所からも平気で飛び降りますよね。『スペランカー』世代の私にとってはかなりの驚愕ものでしたよ……というのはウソですが(笑)。それと、ナギ平原の旅行公司にいる「チョコボ人形」。この存在に気づいたときプレイ時間が150時間を超えていたというのは内緒です。

日下部智子

 自分がいままで読んでいたULTIMANIAの制作に関われる日がくるとは、夢にも思っていませんでした。どのように作られていくのかを実際に体験することができてうれしく思っています。ところで、みなさんはコンプリート率100%エンディングはご覧になったでしょうか? 私は、ユウナが幸せそうに笑っている姿を見たときに、な、涙が……。しかし会社で泣くわけにはいかないと思い、ここはグッとこらえて、ティーダとふたたび出会えたユウナを見守っていたのでした。そういえば、学生時代の友だちに本の宣伝をしていたのですが、みんな買ってくれたかなぁ~(笑)。

稲垣宗彦

 インタビューを終えたあと、自分がそれまでとはまったくちがった視点で『FFX-2』を見ていることに気づいた。なにせ、スピラというひとつの世界を作り上げた「神々たちの生の声」に触れてしまったわけで、その影響は甚大。こんな感覚はいままであまり抱いたことはなく、それだけ『FFX』と『X-2』が自分にとって特別な作品であった、ということなのかも。今回、話をうかがうことができたのは、スタッフ全体から見ればごく一部。それでも30人くらいいて、みんなとても個性的なかたばかりであった。とても熱い、言ってみればすごく過激な意見を持ったかたもいれば、穏健、保守的なかたもいる。また、作品の世界にどっぷりハマっているかたもいれば、クールに距離を置いて接しているかたもいて。このスタッフの多彩さ、層の厚さが、『FFX-2』の持つ魅力に大きく影響していることはまちがいない。載せられなかった話ほどおもしろい、ってのは、インタビューの常。今回も泣く泣くケズったエピソードの数は半端ではなかった。「神々たちの生の声」が聞けたのは、ホントにまぁ、貴重な経験だったのだなぁ、と、つくづく思う。

渡辺和歳

 これまで、このスタッフコメントでは女性キャラクターについてばかり書いていた自分ですが、『FFX-2』ではユ・リ・パを差し置いて、なんとアニキにホレてしまいました。彼の動きは、最高のひとことです。P.364の一番上にある画面写真は自分が撮影したのですが、「いい仕事ができた」と勝手に確信しております(笑)。……でも、チーフVFXプログラマー・大西さんが漏らした“あの秘密”(P.123に掲載)を信じて、本書の制作終了後も、ヒマがあればリュックのドレスアップシーンをチェックしているあたり、本質的には何も変わってなさそうです。