発行 | アスペクト |
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著 | スタジオベントスタッフ |
発売日 | 1996年3月25日 |
価格 | 1,243円+税 |
判型 | A5判 |
ページ数 | 192ページ(カラー160ページ) |
書籍コード | ISBN4-89366-505-7 |
「Ver.1」よりも上級者向けの1冊。2D対戦格闘のエキスパートの戦術をベースに、対2P戦で勝つための究極のテクニックを紹介しているほか、すべての基本技および特殊移動の当たり判定や、全技のタイムチャートといった詳細なデータが掲載されている。関連グッズの情報、デミトリ役の檜山修之やレイレイ役の荒木香恵ら声優陣5名による座談会などの企画物も多数あり。
(C) CAPCOM CO., LTD.
(C) 1996 ASCII
スーパープレイヤーたちに参加してもらった対2P戦攻略や、シビれるような究極連続技の数々も見どころではあるのですが、対戦格闘ゲームの攻略本として異彩を放っているのは、巻頭の「ヴァンパイア ハンターに関する4つの考察」ではないかと、個人的に思っていたりします。僕を含めた4人のライターが、それぞれ異なるテーマで『ハンター』を論じているので、ぜひ読んでやってください。ちなみに、カプコン開発の統括役である船水紀孝氏からは、「あんなこと書いちゃダメですよー。ウチのノウハウがほかのメーカーにマネされちゃうじゃないですか(笑)」と、冗談半分で怒られました。
声優インタビューで全員のサイン色紙をもらってしまいました。いまでも引き出しの奥に厳重保管してあります。
対戦格闘ゲームの戦法は、日々進化していくものです。それを実感させられたのが、本書の対2P戦攻略に協力してくれた『ハンター』のスペシャリストたちと対戦したとき。彼らのテクニックは、アーケード版の発売直後(『ALL ABOUT ヴァンパイア ハンター』の原稿を執筆していた当時)に使われていた技術とはくらべものにならないほど洗練されたもので、はじめて見たときはスタッフ一同、まさに目からウロコが落ちる思いでした。やっぱり、つねに戦いの場に身を置いている人間は、強い。
攻略本は通常、制作期間の短縮が少なからず重視されるため、“多くの人が時間をかけて積み上げてきた情報”を総括する機会はまずない。この本は、その機会に恵まれた希有な1冊だった。
自分がプレイしないゲームでも、上手な人の戦いを見ていると、なんだかものすごく楽しくなってくる。『ハンター』とは、そんなゲームだ。こういう部分は、文章だけじゃなくて、ぜひとも映像で見てもらいたいけど、それを実現するには、やっぱりまだまだ時代が早すぎるのかなあ……。
対2P戦攻略のために招いた3人のゲスト。アナカリスやフォボスなどで超人的な腕前を見せる彼らに、フェリシアでの必勝法を聞くと、皆一様に「フェリシア使わないですから……」とのお答え。あらら。でも、ものの数十分で効果的な戦法を見つけ出してしまうあたりはさすがと言うべきか。
声優さんのインタビューを収録したMDを聞かせてもらったところ、衝撃的におもしろかった。みなさんエンターティナーなのだなあ、すごいなあ、と感心しつつも、ゲームでの重厚なイメージとのギャップを思うと、余計におかしくなるのだった。だって「お尻出てるし」だよ?