発行 | エンターブレイン |
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著 | スタジオベントスタッフ |
発売日 | 2003年9月17日 |
価格 | 1,600円+税 |
判型 | A5判 |
ページ数 | 512ページ(オールカラー) |
書籍コード | ISBN4-7577-1628-1 |
エンディングまで進むための手引きとなる「基礎編」と、スミズミまで遊びつくすための解析やデータをまとめた「探究編」の2部構成で、『新約 聖剣伝説』を完全攻略する。とくに探究編では、全クエストの攻略をはじめとして、攻撃モーションの図解を盛りこんだモンスターデータ、ヒーロー編とヒロイン編の物語の分析など、見どころが満載。ブラウニーピアスの入手方法やサイクロプスの出現条件といった隠し要素も、もらさず解説している。さらに、書き下ろしのサボテン君日記や開発初期に作成された設定資料集など、この本でしか読めない内容を特別に掲載。
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開発スタッフインタビューを終えたあとのこと。その日の約10日後に、秋葉原・アソビットシティにて、『新約 聖剣伝説』のイベントが行なわれることになっていました。同イベントでは、石井浩一さん、亀岡慎一さん、そしてシークレットゲストの生田美和さんのお話が聞けるうえ、なんとイトケンこと伊藤賢治さんのピアノ生演奏まで予定されていたのです。どうにかしてそのイベントを見学したいと思っていた僕は、インタビューの後かたづけをしているスクウェア・エニックスの宣伝部のかたに、お願いをしてみました。
「今度のアソビットシティでのイベント、ぜひ見に行きたいんですけど……すごく混みそうですよね。取材か何かの形で入れてもらえませんか?」
しばらくの間をおいて、宣伝部のかたは意味ありげな笑みを浮かべながら、こう答えました。
「わかりました。山下さんには、特別席を用意しておきますよ」
そして、迎えたイベント当日。宣伝部のかたのご配慮のおかげで、僕はそのイベントを、会場内のおそらく最高の席で見学させてもらうことができました。石井さんたちの隣という、まさしく特別席で……そう、用意されていたのは、イベントの進行・聞き手という役どころだったのです。しかし、これはこれで、僕自身、大変楽しませてもらいました。イベントの終盤に、『新約 聖剣伝説』のなかで僕の好きな3曲をリクエストして、イトケンさんにアドリブで弾いていただいたのは、役得以外の何物でもありません。「自分の好きな曲をイトケンに目の前で弾いてもらう権利」って、ハンマープライス(古!)だったら、いくらぐらいになっただろう?
東京ゲームショウでアミーゴしてくれた約30人のみなさま、その節はお世話になりました。うちのLv.60の「ヒーロー」とLv.20の「しるきー」は健在でしょうか。みなさまのおかげで、「ヒーロー」と「ヒロイン」ばかりだった無機質なアミーゴリストが、一気に華やいだものとなりました。また、コートの下に赤と白の野球のユニフォームを着ていた某社のコンパニオンさんや、とある学園の制服を着ていた某社物販のコスプレ店員さんとアミーゴできたのも、すてきな思い出です……って、本について何も書いてないや。ええと、サボテン君に癒されました。とくにWeb日記に癒されました。うに茶といそぎん茶が飲みたくなりました。みみなりきーん。
ジャドの町を探索したとき、イモリの黒焼きに関する会話でひとり爆笑。理由は各自で調べてくださいませ。話は変わって、『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』時代のネタなんですが、ウチで飼いはじめたペットの名前を『聖剣』の某キャラクターから拝借させてもらいました。おかげで現在も「我が家の寄生虫」として元気に遊びまわってます。
ここのところ、3Dバリバリのゲームが多かったせいか、ゲームボーイアドバンス(以下、GBA)のゲーム――しかもアクションRPGの本を制作するのは、かえって新鮮でした。しかし、なにせGBAなので、セーブファイルの数が少なすぎて……。任天堂さんには、ぜひともゲームボーイプレイヤーを介してゲームキューブのメモリーカードにセーブデータを移すための周辺機器を発売してほしいですね。僕のようなシナリオ攻略担当者のささやかな夢です。
『バイオ0』でもそうでしたが、この本の制作時はそれに輪をかけての超低空飛行でした。いつもその傾向はあるのですが、モロモロの作業をギリギリまで引っ張ってしまい、周囲に多大な迷惑をかけたことを心よりおわびします。……さてさて、本の話に移りますと、何はさておき見てほしいのが「物語のまとめ」です。このチャートは当初、シナリオ攻略の各章の見開きに入れる予定でしたが、いざ書きはじめてみて、攻略冒頭では伏せるべき「ネタバレ」部分こそ本作の物語のおもしろさの根幹をなしているのを発見(具体的には、物語の大筋を知ったうえでヒーロー編とヒロイン編を見くらべてはじめてわかることが多い)。ネタバレだからと切り捨てるにはあまりに惜しいため、急遽シークレットの章に移すことになりました。とくに物語序盤は、ヒーローとヒロインの対比が細部まで効いているので、そのおもしろさをわかってもらおうと、文章の形や写真の場面選びなどに注意を払っています。
あと、この仕事をきっかけに、友人からつねづね「最高のゲーム」と聞かされてきた『FF外伝 聖剣伝説』をプレイできたのも良い思い出です。
今回のゲームは、12年前にゲームボーイ(以下GB)用ソフトとして発売された『FF外伝 聖剣伝説』のリメイクです。というわけで自宅の押入れを探索して、子供用弁当箱サイズの初代GBを発掘。ズッシリとしたその重みを両手で感じると、夢中になってオリジナル版『聖剣伝説』をプレイしていたころの記憶が……よみがえってきません。そういえば、僕はオリジナル版をやったことがなかったのでした。あ、ちなみに今回の解体真書と初代GBだと、解体真書のほうが重いです。
この本での一番の反省点……それは企画の段階で「モンスターの攻撃写真なんてどうでしょうか?」などと口走ってしまったことだろう。当初から「(いつもの解体真書より)ページ数を減らす方向で」と言われていたため、大きなスペースをとるこの案は絶対に採用されない(なおかつやる気をアピールできる)と確信していたのだが……。身から出たサビとでも言うのか。猛烈にサビトレールがほしくなる進行だった。
『新約 聖剣伝説』をプレイしていて、随所で某漫画の名言集が脳裏をよぎったのですが、それは私だけでしょうか。そう、あれはジュリアスIIIが時を止めてロードローラーを(以下、妄想につき削除)。では、ここで新企画の発表でも。本誌P.453に掲載されているタイムアタック攻略を収録したDVDが抽選で1名様に当たります。応募方法は、ハガキに「新約 聖剣伝説 解体真書」に付いている応募券を5枚貼り……って、そんな企画はないですか。そうですか。
今回の開発者インタビューでは、9人ものスタッフからお話を聞かせていただけることになった。これくらいの人数となると、たいていはシナリオ、グラフィック、サウンド、などと、担当されたパートごとに席を設けることになるのだが、なんと今回は一度に全員に集まっていただくという、異例の展開。しかも、当日、スクウェア・エニックスにお邪魔したこちら側のスタッフの人数もやたらに多く、総勢約20人がひとつの部屋に集まることになってしまった。こうなると、全員が一度に入れる部屋を用意するだけでも、かなり大変。宣伝部のかたにはいきなりずいぶん苦労をかけてしまった。ノッケから波乱の幕開けではあったが、はじまってみると、話は弾む、弾む。
『新約 聖剣伝説』では、長いこと『聖剣』シリーズを手がけていたかたたちが再結集しただけでなく、初代『聖剣伝説』をひとりのプレイヤーとして楽しんだ、若い世代のスタッフが加わったことが、良い刺激になっていたようだ。受け手だった者が送り手となったことへの、驚きと戸惑い。自分が過去に受けた感銘を、いまのユーザーにどうやってフィードバックしていくかという悩み。制作の経緯を語る若いスタッフたちの表情からうかがえたこれらの思いは、『新約 聖剣伝説』を懐古趣味で終わらせないための、大きな原動力となったことと思う。“新約”と銘打つ自負。その一端は、確実に彼ら若い世代が支えている。
それにしても。インタビューの席で披露された「サボテン君ヘルメット」を見たときの、大出君や日下部さんたちのハシャギっぷりと言ったら! いまでも忘れられないナリ。
この本でも開発者インタビューを見学させていただきました。過去最多の9人という人数だけあって、盛り上がりはすごく、聞いているこちらも楽しかったです。なによりも、スタッフのみなさんの『新約 聖剣伝説』に対する強い想いをナマで聞くことができて感動でした! ところで、P.506の写真にあるサボテン君の置物(じつはかぶりもの)。インタビューを終えた山下社長がいないスキを狙ってかぶり、ハシャいでいたのは……ヒ・ミ・ツ☆ ねっ、大出さん、稲垣さん?
「サボテンくぅぅぅぅんっ!!!」……というわけで、『FFX-2』では男性キャラクター(アニキ)に転びましたが、今回はとうとう人外キャラクターに転んでしまいました。ホント、自分のキャラクター嗜好はどこへ行ってしまうのでしょうか(笑)? ところで、自分が担当したクエストの章には「サボテン君日記&ポポイのメモをコンプリートするには?」というページがあるのですが、ちょっとここで補足しておきます。知ってる人はいまさらと思うでしょうが、じつはゲームのなかだけでなく、『新約 聖剣伝説』の公式HPにもサボテン君日記があるのです(2003年11月1日現在)。もちろん、ゲーム中の日記とは別の内容。こちらの日記でもサボテン君の切れ味の鋭さは健在なので、みなさんもぜひ読んでみてください。ちなみに うでふりつのざやうみうしは つうしょう ぴかちゅーうみうし です。