発行 | JICC出版局 |
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著 | 手塚一郎 |
発売日 | 1990年8月 |
価格 | 971円+税 |
判型 | B5判 |
ページ数 | 290ページ |
書籍コード | ISBN4-88063-998-2 |
『ウィザードリィ』という作品は、まだAPPLEでしか遊べないころは、本当に幻のゲームでした。秋葉原に行ったときに、店頭で動いていたこの作品にはじめて触れたときの衝撃は、いまでも忘れられません。当時のゲームといえば、宇宙人が攻めてきたぞ!的なものが多かったこともあり、コンピュータという時代の最先端(?)で中世風のちゃんばらをやることが、妙にカッコいいと感じました。それに加えて、経験値があってキャラクターが成長するとか、マッピングをする必要があるとか、仲間のパーティが全滅しちゃったら回収に行かなくちゃならなくて、しかも回収してみたら魔物に身包みをはがされていることがある、なんて知ってムチャクチャ興奮したわけです。
で、アスキーが国産のパソコンPC-98だとかPC-88だとかに移植してくれたので、もうおサルさんのように遊びまくったわけですが……シリーズ4作目の『ワードナの逆襲』には首をかしげるばかりでした。というか、何ですか、これは?
ゲームの詳細に関しては省略(悪口ばっかりになりそうなので)。
でも、この『IV』が嫌いかというと、そんなことはなくて、設定だけは異常に好みなんです。で、何となく(本当に何となく)このワードナの小説を(第一章だけですが)書いてしまい、それをファミコン必勝本(のちにHIPPON SUPER!と改名)の編集長である井上さんに見せたところ、「おもしろいじゃん、本にしよう」ということになりました。
小説の内容に救いがないのは、当時、リチャード・マティスンの「地獄の家」やら、ジョン・ソールの一連の作品を読んでいた時期だったのも影響していると思います。