出版・編集 | スクウェア・エニックス |
---|---|
著 | スタジオベントスタッフ |
発売日 | 2006年6月16日 |
価格 | 1,429円+税 |
判型 | A5判 |
ページ数 | 528ページ(オールカラー) |
書籍コード | ISBN4-7575-1696-7 |
『FFXII』のシナリオおよびサブイベントの攻略に特化した一冊。主要な登場人物を詳細に解説した「キャラクター」、イヴァリースの世界を紹介する「ワールド」、ゲームの基本システムをていねいに説明した「ガイダンス」、エンディングまでのシナリオ攻略と寄り道をガイドする「シナリオ」、サブイベントのすべてを解明する「サブイベント」、全マップおよびトレジャーのデータを網羅した「マップ」の6章で構成されている。そのほか、シークレット100、「Kiss Me Good-Bye」の楽譜、開発スタッフインタビューも掲載。バトルを極めるための本「~バトルアルティマニア」と同時に発売された。
(C) 2006 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.
『FFXII』はソフトの開発にじつに5年を要した超大作ですが、身近な時間に置きかえてみると、この5年間という日々の長さを、改めて実感することができます。たとえば、大学に合格したばかりの人が(ストレートにいった場合)社会人になって1年の経験を積むまでの歳月なわけですから……。それだけの期間、ひとつの作品をコツコツと制作しつづけるというのが、どれほど根気のいる大変な作業であることか。攻略本の作り手として節目節目で開発の進行状況を耳にしてきた僕でさえ、『FFXII』プロジェクトに対してさまざまな思い出があるわけですから、べったりと関わりつづけてきた開発スタッフのかたがたのこの作品に対する思い入れといったら、それはもう想像を絶するレベルのものにちがいありません。そんな開発者のみなさんの想いを書籍という形に収めて少しでも伝えられたら……などと考えつつ、シナリオとバトル、2冊のアルティマニアを精魂こめて作りました。本書を読みながらプレイすることで、ひとりでも多くのユーザーのかたが、それまで気づかなかった『FFXII』のおもしろさを発見してくださったらうれしいです。
今回の担当コーナーは、まだプレイしていない段階の企画では、主人公ヴァンの視点と、イヴァリース世界の動向を三人称的に引いた視点で、それぞれ並列に書いてみるというものだった。ものだったハズだ……しかし彼は、ヴァンはそういう人ではなかった。メインストーリーを終えてエンディングを迎えた時点で、ヴァンはどちらかと言えばうっかり八兵衛を思わせる役どころであったと判明したのである。気づけば内容も、アーシェの心象を追うものが半数を占めた。嗚呼、ヴァン……ヴァンよ。いいんだ、君はいずれ最強のモブハンター、セントリオの英雄と呼ばれる男なのだ……。
9組もあったインタビューのなかで、とくに印象的だったのがサウンドセクション。関戸 剛さんに協力してもらった曲が「マンボウ」と呼ばれていた話とか(ヒント:MSXのシューティングゲーム)、崎元さんが乗っていた電動自転車のギアがはずれた話とか、誌面に反映されない(できない?)エピソードが満載だったのだ。そんな話を総合して導き出された結論、崎元さんは意外とお茶目。
『FF』シリーズは、本編のボリュームもさることながら、サブイベントやミニゲームも通常のゲームとくらべると数も規模もケタ外れ。だから、それらの攻略担当になると、本編のほうを深い部分までプレイするのが難しくなってくる。攻略本の制作はチームプレイだから仕方がない部分もあるが、やっぱり本編の深い部分までプレイできないのはさびしい。僕も『FFIX』ではミニゲーム、『FFX』と『X-2』ではブリッツボールの担当で、どちらの本でも制作期間の8割近くは担当部分しかプレイできなかったのが、いまだに心残りだったりするのだ。だけど今回は、晴れてシナリオ攻略の担当に! 誰の目をはばかることなく本編を思う存分プレイできたので、自分にとっては思い出深い一冊になりそうだ。
今回は、サブイベントを担当しました。私は過去に、「『FF』シリーズのサブイベントやミニゲームはアクション要素があるから難しい」という声を何度か耳にしたことがありますが、『FFXII』のサブイベントのほとんどは、アクション要素がいっさいなく誰もが楽しめる作りのものです。また、ストーリーのないミニゲームとちがい、きちんとした物語性も持っています。今回のサブイベントは、これまで『FF』シリーズのサブイベントをあまりプレイしていない人たちにこそ、楽しんでほしいと思います。
そこに生きる者の歴史をさりげなく感じさせる物語が好きです。定型のドラマ文法をなぞるのではないリアルな理不尽さを思わせる話、割り切れないながらも生きるしかない者たちの物語が好きです。だから『FFXII』は私の好みなのですが、この本では物語の筋はあえて語らず、骨となるものをまとめるにとどめました。キャラクター紹介に見開き2ページを使い、多角的にその人物を取り上げるスタイルはこれまでも何度も行なってきたものですが、今回はそれがもっともきれいにまとまったように思います。イメージCGの存在しないフランのページは、ゲーム中のムービー画像を多数使って埋め合わせたのですが、それもなんとなくゴージャスな雰囲気に仕上がってお気に入り。心残りは、彼女の最大の悩殺ポイントである美尻をアップで掲載できなかったことでしょうか。
アルティマニアを作っている最中は、「700ページを超えた」とか「アルティマニア史上最厚」とか聞いても、いったいどれくらいの厚さなのか、いまひとつピンときません。で、たいていは本が完成して見本誌を受け取ったときに、こんなムチャな厚さの本を作っていたのか、と呆然とするわけです。今回は2冊合わせて1100ページ以上……『FFXIII』ではどうなってしまうのでしょうか。
今回もマップ担当。とはいえ、これまでのゲームとくらべて個々のマップが巨大(大きいを通り越してるよ!)なうえ、マップ数も膨大で、作業は比較にならないほど大変でした。おまけにトレジャーはランダム要素が多すぎて、いくら調査してもちっとも終わりが見えない始末。調査遅れのためデザイナーのかたにはご迷惑をおかけしました。この場を借りてお詫び申し上げたいと思います。
「シークレット100」にもそのかわいさが載っていますが、モーグリの動きがたまらなかったです! モグシー屋のモーグリの「キュッ、キュッ」という足音が聞きたくて何回も話しかけたり、そのときにはかならずカメラをアップにしたりしていました。とくに好きだったのは青帽子のハーディ……でしたが、あまり東門に行く機会がなかったので、そんなにお世話にはならなかったんですけどね。
ゲーム開始直後からワイルドザウルスに突っこんで『盗む』を仕掛け、王都ラバナスタに帰還する……そんな少々無謀な試みから、今回の冒険ははじまりました。RPGをプレイするとき、出会うモンスターは基本的にすべて倒していくのが僕のスタイルなのですが、今回はわりとバトルをひかえながら進めたために、幻妖の森あたりでえらい苦労をするハメに。ベヒーモスなどとはふつうに戦っても歯が立たないので、すべて『グラビデ』で倒しながら進んでいました。なぜ『グラビガ』じゃないのかというと、お金が足りなくて帝都アルケイディスで買えなかったのです(´・ω・`)
ワールドの章全体、それから巻頭の人物相関図を担当させていただきました。イヴァリース世界というのは『FFXII』のほか、『FFT』や『FFT-A』、『ベイグラントストーリー』といった作品群と共通する舞台であり、膨大かつ緻密な設定を持っています。それだけに、必要と思われる要素を取り出してまとめるのは、楽しくも大変な作業でした。何だかたくさんエラーをした気がします。そのたびにフォローしてくださった山下社長と大野さんには、本当に感謝しきれません。そして全然関係ないことですが、今回の仕事では代打としてバッターボックスに入ることが4回ほどありました。何だかすごい気がします。何がすごいのかは、よくわかりませんけれど。
運気というのは調整されるもので、激レアなアイテムを一発で手に入れた日には、JRが数時間ストップしたりするなどの副作用くらいは覚悟しておくべきです。ていうか実際に止まった。
まさか自分がアルティマニアの制作に関わることになるとは。しかし、待っていたのは膨大な調査、校正といった山々でした。最後の最後ギリギリまで大変な作業でしたが、無事に終わって本当にホッとしています。
奥付に名前が一応入っていますが、シナリオアルティマニアのほうでは100個あるシークレットのうち1個を書いただけです(しかも差しかえ用)。担当した原稿の総量とこのスタッフコメントの文字数がいい勝負くらいの勢いでなんにもやってません。なんでスタッフコメント書いてるんだろ?
「何せ古い話なので」という言葉を何度か耳にはしましたが、それでも開発者のみなさん、こまかいことまでよく覚えておいでで、やっぱり今回も載せられなかった話がとってもいっぱいあるのでした。
満を持して召喚するも、ヘネ魔石鉱のアビスの群れに数秒で倒されるゾディアークに乾杯。