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作品詳細

ファイナルファンタジーVII アルティマニアオメガ

出版・編集 スクウェア・エニックス
スタジオベントスタッフ
発売日 2005年9月9日
価格 1,900円+税
判型 A5判
ページ数 592ページ(オールカラー)
書籍コード ISBN4-7575-1520-0

内容紹介

1997年の発売以来、多くの人々を魅了しつづける名作『ファイナルファンタジーVII』の研究解析本。各場面にちりばめられた伏線と謎を解き明かしながら壮大な物語を振り返る「STORY ANALYSIS」、ゲームの舞台となった世界を深く掘り下げる「WORLD OF FFVII」、極限まで突き詰めたやりこみを収録した「ULTIMATE PLAY」、とっておきの開発秘話や未公開の設定資料を公開する「尾目我之赤師」など、『FFVII』ファン必読の企画が満載。巻末には、エアリス視点の小説「星を巡る乙女」も収録している。『コンピレーション オブ FFVII』を堪能するために、欠かせない一冊。

(C) 1997,2005 SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA

スタッフコメント

山下 章

 基本的にアルティマニアシリーズの書籍の巻頭では、「WELCOME TO ○○○○○ ULTIMANIA!(○○○○○にはゲーム名が入る)」と題した前書きを僕が書いています。この「WELCOME TO~」は、本の最初にあるのに反して、書くのはいつも最後の最後。その本全体を踏まえた内容にするには、ほかのページの原稿にひととおり目を通してからでないと……という考えで、いつもラストに書いているわけです。ただし、そうなるとテキストを書く時期は、まずまちがいなく最終校正のまっただなか。ただでさえ起きている時間のほとんどを取られる締めの校正作業の最中に、巻頭を飾る原稿を仕上げるには、睡眠時間をケズりにケズり、集中力を高めるだけ高めなければなりません。とくに『FFVII』は思い入れの強いゲームであったため、この本の「WELCOME TO~」は過去のアルティマニアシリーズのなかでも1、2を争う長文に。張りつめたテンションで書き終えたときには、心身ともにヘトヘトになっていました。
 しかし、戦いはそこでは終わらず……。忙しさのあまり手をつけられないでいたのですが、じつはこれより少し前に『FFVII アドベントチルドレン』の劇場用パンフレットに入るインプレッションの原稿を、スクウェア・エニックスの宣伝部のかたから依頼されていました。タイミングの悪いことに、そのパンフレットと「FFVII アルティマニアΩ」の校了スケジュールがほぼ完全にシンクロ。「WELCOME TO~」を書き上げて休む間もなく、すぐにふたたびテンションをMAXまで上げ直し、「Ω」の校正を見つつもパンフレットの原稿を仕上げなければならなかったのです。この「WELCOME TO~の原稿」→「Ωの校正」→「パンフレットの原稿」→「パンフレットの校正(パンフレット全体の執筆もベントスタッフが担当していました)」という『FFVII』コンピレーション・コンボは、とてつもなくキツかった……。

ベニー松山

 山下はときどき、どこがおもしろいのか解らない冗談を言う。
「『FFVII』のオメガを作ろうと思うのだ。で、ベニーには短めの小説を。エアリスで」

「ほうほうほう『VII』のオメガをねえ。いいじゃないですか……って、何スってぇ?」
 このあと僕は、またまたァ、ったく心臓に悪いや、んで本当の用件は何ですかい、と目をそらしながらつづけてみたのだが、これが冗談ではありませんでした。
 クラウドとセフィロスの精神世界バトルを膨らませて書いてみようよ、って提案ならまだしも、エアリスですよ。あまりにも美しく散った超ヒロインを題材に、ゲームの発売から8年が経った今、オリジナルな解釈を加えて書けと……しかし尻尾巻いて逃げるワケにはいかないでしょうよ。本の企画がはじまってから、間に数冊の別の本をはさみつつ半年以上、夜はうなされながら構想をひたすら練りましたとも。心が折れそうになったとき、ふと手にした宮沢賢治が力になってくれたりしました。グスコーブドリとか。未曾有のプレッシャーにさいなまれながら書き上げた本作、ご感想お待ち申し上げます。

大野優子

 最初にこの本の企画があがったのは、なんと2004年の4月。「『FFVII AC』の発売に合わせ、『FFVII』が早わかりできる本を作ろう!」という意図もあって出てきた企画なのですが、『FFVII AC』の発売が延びたのにともない、1年以上ものあいだ、せこせこ作ることになりました。長い……。長い期間作っていたわりに、最後の最後でいつものように大変だったのは、私の原稿が遅かったせいでしょうか……。「FFX アルティマニアΩ」を超える、約200ページの担当。そんなわけで、同僚らが「ロマサガ アルティマニア」制作後の長期休暇に入ったのに対し、私だけは社長とふたり、濃密・夏・仕事モードへ! おかげさまで、一時は永遠に出ないような気すらしていたこの本も日の目を見ることになり、なんだかんだで代表作的仕上がりとなって感無量です。じつは初のサブディレクターだったわけですが、それらしいこともほとんどせず申し訳ない。とくに志賀、菅沼、日下部の「チーム:若い班」(←ナンですかソレは)、感謝感謝~。

木村昌弘

 「ファイナルファンタジーX-2 アルティマニア オメガ」につづいて、2回目のやりこみ担当。しかもお題は、個人的にもっとも得意とする『FFVII』! もうこれだけで、楽しい進行は約束されたようなものです。そして、実際の作業。楽しい。楽しすぎる。とても仕事とは思えません。というか、テストプレイの大半は「トルネコの大冒険3アドバンス 公式パーフェクトガイド 下巻」後の休暇中にやったので、実際仕事じゃなかったのですが。

大出綾太

 今回のインタビューは非常に興味深い取材になりました。『FFVII』の開発がスタートしたころから10年以上も経っているのに、みなさんが当時のエピソードを矢継ぎ早に(かつざっくばらんに)語ってくださって、終始感心したり驚いたり。歴史的な証言もたくさんうかがえて、あっという間の2時間半でした。その全部を誌面に掲載できなかったのが残念だけど、正直なところ、公開トークイベントとか開催できるんじゃないでしょうか。ちなみに、今回のインタビューの構成は、かなりアクロバティックなことをやってます。読者のかたが違和感なく読んでくだされば、試みは成功。でも、何をやっているのかは秘密。

山中直樹

 「『FFVII』 in Other Games」のコーナーは、ネタ集めとその内容チェックが大変だったのですが、それ以上に苦労したのは画面写真の撮影。過去のゲームをいろいろと掘り出し、『FFVII』関連のネタのある場面まで進めるのはとても時間がかかりました。なかでも手間取ったのが『FFXI』の古代種のカギ。フェンリルは強敵なので、数日前から知人たちに声をかけ(ご協力感謝!)、ようやくメンバーと決行日が決まって突撃……のはずが、集合時間の30分前に突如発生したサーバー不調で主催者の自分だけログインできないという事態に。こんな理由でアルティマニアの入稿が遅れていたとは誰も思うまい。ちなみに『FFXI』では、ナイツオブラウンドとファイナルヘヴンの名前がどこかに登場しますが、それらが載ってないのは大人のなんとやら。まあ、両方とも写真撮影しようとしたら入稿が1日どころか3~4年遅れかねないので、むしろ助かったわけですが。

板場利光

 まさか、プレイステーション用のグレーのメモリーカードをふたたび使うことになるとは思わなかった。しかも、1年3ヵ月という長い期間で。PS3が発表されたいま、さすがにこのようなことは二度とないだろう。『FFVII』という作品の息の長さには、本当に驚かずにいられない。

小石朋仁

 まじめな文章を書きつづけていると、ときおり、ハジけた文章を書きたい衝動にかられる。今回の「バトル回顧録」のページは軽いノリにすることを最初から決めていたので、何年かぶりにハジけまくろうかと思っていたのだが……結局はフツーの軽いノリにとどまった。無念。ところで、2005年8月1日にこのHPで掲載された本の内容紹介に「バトル回顧録」のバの字も書かれていないのは、あつかいまで軽くなったということでしょうかorz。

白川大輔

 『FF』シリーズのほとんどには、キャラクターのレベルアップ以外に育てる要素、成長させる要素があります。『FFVII』も例外ではなく、キャラクターたちのレベルが99になっても、○○アップ系のアイテムを集めてステータスを255にしたり、APをかせいでマテリアを増やしたりと、いろいろと楽しめます。でも、この仕事をしていると、自宅でゲームをする時間があまりないので、「携帯ゲーム機に移植してくれれば」といつも思ってます。リメイク版でも当時のままでもどっちでもいいので、ぜひともスクウェア・エニックスさんにご考慮してほしいな。

大出啓太

 もはや恒例となりつつある、アイテムコーナーの担当。今回は「Ω」ということで、いつものようなデータ重視ではなく、パラパラとながめて楽しい図鑑を目指しました。ちなみに、本書に掲載されている、インターナショナル版で追加された4つのアイテム(ライジングサン、デザートローズ、アースハープ、ガイドブック)のCGは、今回が初公開となるレア物です。じっくりとご堪能ください。

豊田知行

 私はホームページの作成も担当しているのですが、このニュース記事で約1年前の記事にリンクを貼ったときには、苦笑したものでした。思えば、この本の進行も二転三転。当初は『AC』の内容を網羅しようとか『BC』の攻略もやろうとか、いろいろ企画があがっていましたが……ボツになった理由はあのブ厚さを見れば納得してもらえるかと思います。

中谷 薫

 2004年の夏、この本でタイムアタックのコーナーを担当するということで、近所のTSUTAYAに行ってインターナショナル版を購入してきました。これで『FFVII』を買うのも5回目、『FFT』と並んで1位です(笑)。
 今回、掲載された戦術に至るまでにはかなりの紆余曲折がありました。オリジナル版のタイムアタックには7回挑戦していましたが、インターナショナル版の経験はゼロ。『チョコボックル』が弱体化してしまったインターナショナル版での記録更新は無理だな、と思っていたからです。その考えを一蹴したのが、ダメージ量が8倍にまで変動するティファ用武器「オーバーソウル」と、鬼神の威力を誇る最終武器の数々(のちにこれらは2軍落ちしますが……)。
 後日、30分以上の自己記録更新に成功したものの、ほかのスタッフから「ケット・シーの『スロット』で『オールオーバー』使ったほうが早くないか?」というツッコミが。これは、予期していなかったわけではなく、当初から頭のなかにあったが認めたくなかった攻略法。やりこみをするうえで、運に強く依存する戦術はイヤなので使いたくなかったのです。しかし、P.473のテクニックを発見したことで事態は急変。最終的には、画面を見ないで音だけを聞いて『オールオーバー』を連発できるようになり、運に頼らずに記録が更新できました。

日下部智子

 8年前に発売されたソフトをもう一度プレイしてみて……やっぱり良いものは良いんだ、と実感させられました。当時もおもしろかったけれど、いまもそのおもしろさは色あせていなかったのです。逆にあのころわからなかったことがわかったりと、いろいろ発見もありました。そういえば、当時はクラウドがお気に入りだったのですが、8年も経つとそれなりに成長したり変化があったりしたのか、ヴィンセントの憂いを秘めた過去とその表情に夢中になっていました! 良いですよね、カッコイイですよね、ヴィンセント!!……あれ、でも実年齢ってすごいんでしたっけ!?

志賀 修

 インターナショナル版で演出が大きく変更された『スーパーノヴァ』。先日、「太陽系第10惑星発見!?」というニュースを見ながら、正式に認定されればリメイク版の『スーパーノヴァ』に登場するかも、なんて思っていました。

菅沼愼太

 この本では、「セリフのバリエーションCHECK!!」を担当しました。調べても調べてもあふれ出す、『FFVII』の膨大なセリフの数々……。その作業はとても大変なものでしたが、これまで聞いたことがなかったさまざまなセリフに出会えてうれしかったです。みなさんも本書の発売を機会に、いままで使うことのなかったキャラクターたちを、冒険に連れ出してみてはいかがでしょうか? きっと、何か新しい発見があると思いますよ。

大津佳之

 急に「設定原画ギャラリー」を担当することになり、あわてて誌面を作りました。それはともかくエアリスですよ! 「キャラクター研究」を読んで泣き、「ストーリープレイバック」を読んでホロリとし、ベニーさんの小説を読んで目をうるうるさせ……。そんな私に何の因果か、忘らるる都前後のセリフチェックがまわってきまして。当然、水の祭壇でのムービーをくり返し見ることになり、そのたびに私は「うおおぉぉんっ」と叫びつつ滂沱の涙を流したのでした。