運営 | スクウェア |
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著 | スタジオベントスタッフ |
公開日 | 2000年12月29日 ~2002年2月28日 |
スクウェアが運営するPlayOnline.com内に、“インターネット上で読める攻略本”として開設された、『FFIX』の公式攻略Webサイト。内容的には書籍のアルティマニア シリーズを踏襲しており、従来と変わらないクオリティの攻略記事が無料で提供されている。データリストのソート(並べ替え)が行なえたり、リンクを通じて関連ページへ瞬時にジャンプできるなど、Webの特性を活かした便利な機能が充実。開発ディレクターである伊藤裕之氏へのロング・インタビューも読むことができる。
(C) 2000 SQUARE
COMPUTER GRAPHICS MOVIE:(C) 2000 SQUARE/SQUARE VISUAL WORKS
ULTIMANIAをWeb化する――史上初と言っていいメーカー公式の完全攻略サイトを作るのには、書籍のときとはまたちがった、さまざまな苦労がありました。なにしろ約2000ページですから……。この完全攻略サイトに対する想いは、「Online ULTIMANIA」内の「はじめに」というページにあらかた書きつくしてしまったので、そちらを参照してください(「はじめに」は「ファイナルファンタジーIX ULTIMANIA」のP.2に再録されています)。そのかわりと言っては何ですが、ディレクターの伊藤さんにインタビューを行なったときの裏話をひとつ。インタビューを終えて帰ろうとしたときに、伊藤さんから「『ファイナルファンタジータクティクス(FFT)』のULTIMANIAを作ってくださいよ」との要望が。なんでも、伊藤さんのパソコンのデスクトップには、いまでも『FFT』のマル秘データを収録したフォルダの数々が残してあって、それを提供してくださるのだとか。なんともソソられる話だけど、現時点で「FFT ULTIMANIA」を出したとして、どれくらいの人が買ってくれるものだろう? 採算が取れれば、デジキューブも乗ってくるかもしれないけど……。あ、どうせなら『FFT2』を作っちゃうっていうのはどうですか、伊藤さん。そのタイミングに合わせて「FFT1&2 ULTIMANIA」を出すってのならOKかも。でも、それって何ページの本になるんだろう(汗)?
史上初のWeb攻略本ということで、すべてにおいて試行錯誤しながらの作業がつづいた。結論として得られたのは、単に書籍攻略本の方法論をWebに持ちこむだけではダメだということ。書籍には書籍の様式があるように、WebにはWebの様式があるように思う。それがどんなものなのか、この「Online ULTIMANIA」を足がかり(もしくはジャンプ台)にして、もっと試行錯誤しないといけないと感じた、制作開始1年後の春。ところで、ガーネット紹介ページの隠し仕様、気づいた? ふふふ……。
まちがいなく、それまででもっとも大変な仕事でした。まず、ネットでの誌面作りが公私通じて初の試みであるため、感覚がつかめない。シナリオ部分を担当するのもはじめて。また、ネット上では文字量やページ数の制限がないので、気がつけばテキストが膨大な量に! しまいには腱鞘炎になりかけ、腕が上がらないほどでしたが、そこは『FFIX』への愛で(?)切り抜けました。モーグリとエーコが好きなので、モーグリ紹介や「エーコのお料理」解説は楽しかったです。地味だけど、ATE表も苦労したので見てくださいね!
膨大な資料が届き、それらを整理するだけで1週間ほど費やしました。もっとも、諸事情で公開できなかったデータが多数あり、自分のプレイにしか活用されなかったというのが申し訳ない感じです。余談ですが、html化のさい、タンタラスの頭領が「バター」になって爆笑しました。
終盤になってこの仕事に参加したため、てっきり雑用係になるかと思っていた。アマかった。シークレット? 俺まだDISC3の途中なんですけど? 締め切りは? データ調べてる時間は? なんすかこの校正の山は? ちょっと待ってくださいよ~(泣)。
書籍とちがい、ページ数などを気にせずに原稿が書けるのはWebのいいところ。だからと言って、好きなように書けるわけじゃない。はりきって書きすぎると重くなってしまうし、画面上で長い文章を読むのは疲れてしまうから、その点も考慮しながら記事の構成を考える必要があるし……。いろいろと苦労したけれど、勉強になりました。
プライベートでクリアしたあと、制作に駆り出された(なんか『FFVIII』もそうだったような気が……)webサイト。参加当初はほかのスタッフにくらべ、情報量が圧倒的に足りなくて大変でした。結局、自分の担当パートであるアビリティの情報だけは必死にかき集めてなんとかしのぎましたが、おかげでそのほかの情報は……ステラツィオ? オズマ? はて? 攻略に参加しない場合は、努めてヌルいゲーマーになるようにしてるんです~(苦しい言い訳)。
膨大なデータ量に加え、Webならではの問題にホンロウされて校正作業が思うように進まなかった。こんなことならホームページのひとつくらい作っておくんだったと反省。でも、結局作ってないなぁ。
ディレクターの伊藤裕之氏へのインタビューを入力したのだが、じつは『FFIX』そのものはまだ一度もプレイしていない。でも、インタビュー内容は過去の『FF』シリーズの制作秘話などにまでおよんでおり、楽しみながら作業ができた。『IX』未プレイの人も、一度インタビューを読んでみては?
ある日の会話。
神崎「あ~、ビビだ、ビビー!」
山下「あれ? もしかして神崎さん『FFIX』買ったんですか?」
神崎「あ、はい。買ったし、やってますよ」
山下「じゃあ、校正してもらおうかな」
――かくして、非番だったハズの私は、校正要員としてかり出されることになったのでした(哀)。